中欧のスペシャリスト ハンガリー、オーストリア、ルーマニア、チェコ、スロバキア、ポーランド、ウクライナ、セルビア、クロアチア、スロベニア 等
![]() |
ゲッレールトの丘の麓、ドナウ川に面するルダシュ温泉。 |
![]() |
数多くの源泉があるゲッレールトの丘近くには、ローマ時代より温泉があったと言われていますが、円蓋型ドーム屋根の浴場がトレードマークのこの温泉は、1556年にトルコ人によって建てられたものです。 |
![]() |
直径10mのクーポラは、8本の柱によって支えられ、その下には八角形の浴槽があります。 明り取りから差し込む光は、色ガラスを通して幻想的な雰囲気を醸し出しています。 天井がこんな形になっているのは、より多くの光を採るためと、「水がてんじょからぽたりと背中へ~♪」を防ぐため。トルコ人流石です! しかも、遥か昔から高度な温泉建築技術を有した彼らの軌跡が、温泉水導入管にも見られます。ジョイント式の保温性に富んだ管を壁の中に埋め込む様式は、きっとノーベル賞ものでしょう。 |
このルダシュ温泉の、トルコ式浴場部分は、1936年以降、男性客の利用に限定されていましたが、2005年の改修を経て、女性の入浴日も設定されました。 火曜日は、女性専用。月、水~金は男性専用。そして、金曜日の夜間と週末は、水着を着用の上、混浴利用となっています。 中心の浴槽(36℃)の周りには、四隅にそれぞれ、28、30、33、42℃の浴槽が配置されています。温めの浴槽が多いハンガリーにおいて、42℃のお湯に入れるのは貴重なことです。 |
|
![]() |
更衣室では、まずあのエプロンが渡されます。 ルダシュ温泉では、男女別の入浴日には、水着の着用が禁止されているため、入浴客は、エプロンか裸で入浴することになります。 昔の画を見てみても、やはり皆、褌を着けていますね。 お風呂上がりにエプロンを外して、さっぱり身体を洗い流すと、係の人が大きなシーツを広げて待ち構えています。ふかふかのバスタオルでは味わえないリネンシーツのさらりとした感触もハンガリーならではでしょうか。 |
プールは、温泉プールとして、サウナ設備を兼ねたものが1896年に作られました。 | |
![]() |
この温泉の面白さは、冬。 10月~3、4月にかけて、月1~2回のペースで、Sparty(スパーティー)なるイベントが開催されるのです。 土曜日の夜9時頃からスタートするこのイベントでは、ルダシュ温泉全体がディスコクラブに大変身。 飲む、踊る、歌う、騒ぐ...温泉のタブーが全て解禁になるのです。 |
![]() |
温泉のいたるところにDJブースが置かれ、エントランスから更衣室、待合所に、お湯の中までも。。。音楽と光と笑い声で沸き上がります。 寒いヨーロッパの冬に、超ホットな温泉の楽しみ方...ブダペストでしかあり得ないスペシャル温泉パーティーに世界中から若者たちが集まってきます。 |
![]() |
このルダシュ温泉の泉源は、フンガリア、ユベントゥス、アッティラという名前の鉱泉で、ゲッレールトの丘の地下深くから湧き出ているものです。 現在、ルダシュ温泉近くのエルジェーベト橋の下にある飲泉場で、この3つの湯を飲み比べることができるようになっています。 ビールジョッキに並々お湯を次いで、飲泉ダイエットを楽しんでみるのもいいでしょう。 |
撮影:JapHun MediArt、他ネットアーカイブ